ガリラヤの風かおる丘(待降節のお話9)

 日曜の午後、発熱してしまい2日間のお休みをいただきました。5日ぶりの校長日誌です。

若いころから、大好きだった書家であり作家である相田みつおさんの詩です。

「うばい合うと 足らないけれど  分けあうと あまっちゃうんだなー。」

仏教の教えを大切にされた相田みつおさんですが、キリスト教的でもあります。旧約・新約の舞台となったパレスチナには、豊かな自然と豊富な魚に恵まれたガリラヤ湖と、ほとんどの生物が生息できない死海があります。北の方に位置するガリラヤ湖は、食用に適した魚が豊富に獲れ、人々にとって大切な湖とされてきました。海抜下200メートルの低地にある湖で、多くの水が流れ込み、また、何本もの川に豊かな水を与えています。一方、湖としては世界で最も低いところにある死海、何本もの川から大量の水が流れ込んでいますが、砂漠地帯にあるためか蒸発する水の量も多く、地形の関係で他の川に流れ出ることはありません。その結果、世界でも有名な塩湖となっています。魚はもちろんのこと、生命を感じさせるものはほとんど存在しません。多くのものを受け、分け与え続けるガリラヤ湖の豊かさ、それに対して、多くのものを受けとるが、与えることのない死海。

 自らの命までも与え、多くの人に生きる力を与えてくださったイエス・キリストは、神様の愛を人々に伝えようと、湖のほとりで福音を宣べ伝えました。「ガリラヤの風かおる丘で、人々に話された。恵みのみことばをわたしにも聞かせてください」 与える喜び、分かち合う喜びを待降節のこの時に、改めて考えてみましょう。明日はクリスマスの集いがあります。一生懸命に練習してきた結果が発揮できますように。

2024年12月18日(水)  校長  清水勝幸


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