探究の時間
国際バカロレア(IB)教育プログラム
聖ヨゼフ学園小学校は、2018年1月9日付で日本の小学校として初めて『国際バカロレアPYP校』として認定されました。
国際バカロレア初等教育プログラムの導入の決定は、学園の基本精神及び教育方針と国際バカロレアの使命(IB mission statement)が一致しているためです。国際バカロレアのプログラムは、キリスト教の価値観を背景とし、国際人を育てるための全人教育のプログラムとして発展し世界に広がりました。
学園の初代校長である勝野巌神父様は、学園の教育方針について次のように示しています。
『私たちは、この世の様々な問題を他人事にせず、自らの課題として積極的に捉え、人々の真の平和と幸福を創り出す人を育てる教育を目指します。』
国際バカロレアの使命(IB mission statement)は、次のように示されています。
『国際バカロレア(IB)は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。』
目まぐるしく変わる社会に立ち向かっていく子どもたちに必要な教育とは何かを考えたとき、まさに創立時に掲げた教育方針は、国際バカロレア初等教育プログラムの導入で実現すると確信しています。私たちも、国際バカロレアも、共に平和で幸福な世界を築くことに貢献する人、「国際的な視野を持つ人間」を育成することを目指しています。
「国際的な視野を持つ人間」とはどのような人なのか、国際バカロレアでは、そのような人を『IBの学習者像』として10の人物像(下記学びの児童像参照)を示しています。 ※IB=International Baccalaureate(国際バカロレア)の略
この10の学習者像は、私たちの目指す学習者像であり、「国際的視野を持つ人間」となるために必要な資質です。これらの学習者像は、知的成長や学習面での成功にとどまらず、人間としての幅広い能力と責任感を育むことを意図しています。そして、聖ヨゼフ学園小学校の教育目標である「進んで学び働く子」「仲良く力を合わせる子」「ねばり強くがんばる子」、重点目標である「自分で考え、行動し、振り返りができる児童の育成」を実現することにつながっています。
学びの児童像
挑戦する人 Risk-takers
私たちは、不確実な事態に対し、熟慮と決断力をもって向き合います。
ひとりで、または協力して新しい考えや方法を探究します。
挑戦と変化に機知に富んだ方法で快活に取り組みます。
コミュニケーションができる人 Communicators
私たちは、複数の言語やさまざまな方法を用いて、自信をもって創造的に自分自身を表現します。他の人々や他の集団のものの見方に注意深く耳を傾け、効果的に協力し合います。
信念を持つ人 Principled
私たちは、誠実かつ正直に、公正な考えと強い正義感をもって行動します。
そして、あらゆる人々がもつ尊厳と権利を尊重して行動します。
私たちは、自分自身の行動とそれに伴う結果に責任をもちます。
バランスのとれた人 Balanced
私たちは、自分自身や他の人々の幸福にとって、私たちの生を構成する知性、身体、心のバランスをとることが大切だと理解しています。
また、私たちが他の人々や、私たちが住むこの世界と相互に依存していることを認識しています。
考える人 Thinkers
私たちは、複雑な問題を分析し、責任ある行動をとるために、批判的かつ創造的に考えるスキルを活用します。
率先して理性的で倫理的な判断を下します。
心を開く人 Open-minded
私たちは、自己の文化と個人的な経験の真価を正しく受け止めると同時に、他の人々の価値観や伝統の真価もまた正しく受け止めます。
多様な視点を求め、価値を見いだし、その経験を糧に成長しようと努めます。
探究する人 Inquirers
私たちは、好奇心を育み、探究し研究するスキルを身につけます。
ひとりで学んだり、他の人々と共に学んだりします。
熱意をもって学び、学ぶ喜びを生涯を通じてもち続けます。
思いやりのある人 Caring
私たちは、思いやりと共感、そして尊重の精神を示します。
人の役に立ち、他の人々の生活や私たちを取り巻く世界を良くするために行動します。
振り返りができる人 Reflective
私たちは、世界について、そして自分の考えや経験について、深く考察します。
自分自身の学びと成長を促すため、自分の長所と短所を理解するよう努めます。
知識のある人 Knowledgeable
私たちは、概念的な理解を深めて活用し、幅広い分野の知識を探究します。
地域社会やグローバル社会における重要な課題や考えに取り組みます。