御大切(ごたいせつ)(待降節のお話1)

 今から475年前、ヨーロッパからキリスト教を伝えるために来日した宣教師たちは、まず最初に「愛」ということばの壁にぶつかりました。キリスト教の最も大切にする「神の愛」を人々に伝えようとした時、キリスト教本来の「愛」(アガぺ)と、当時日本で使われていた「愛」とでは、十分ではないと感じ、あえて「愛」ということばは使わず「デウス(神)の御大切」と訳しました。

 彼らは、神から命をいただいたかけがえのない存在であるという思いを込めて「御大切」ということばを使ったのです。私たちは神様から与えられた恵みを最大限に生かしながら、命や自然を大切にしなければなりません。自分の存在をありのままに受け入れながら、他人への心配りも忘れない。それこそまさに、自分に対して、また、他人に対して「御大切」に生きていくということなのです。

2024年12月3日(火)  校長  清水勝幸

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