校長より ~熱中症対策について~

 二学期が始まり、二週目となります。登校する児童の様子を見ていると、日を重ねるごとに、挨拶をする「ごきげんよう」の声が大きくなり、笑顔で登校する姿が多くなりました。子どもたちはそれぞれに学校生活のリズムを取り戻しています。残暑が厳しい毎日ですが、朝夕に吹く風の中に、ほんの少し、秋の空気を感じます。いつの間にか虫の声も聞こえはじめました。確実に、季節は進んでいます。

 夏休みが短めとなりましたが、それぞれに有意義な夏休みを過ごしたことがわかりました。教室や廊下に、夏休みに作った作品や研究したものが展示されています。工夫をこらして作ったものや苦労して作ったと思われるものが数多くあり、楽しく見ています。

 1・2年生ならではの作品や観察は、ご家族で楽しんだ時間が想像できます。セミ、クワガタ、カブトムシ、カタツムリなどの観察日記、朝顔や野菜の観察記録、テーマによっては時間がかかったと思われるものもあり、計画立てて進めた足跡がみられます。楽しみながら実験をした様子が思い浮かぶもの、詳細なデータが努力を物語っているもの、旅行先での出来事をまとめた絵日記、小学生レベルをはるかに超えていると思えるものもありました。ある日児童が数人校長室に顔を出し、「夏休みはずーとお家にいたけれど、○○の観察をしたんです」「こんな写真も撮りました」と、見せながら笑顔で誇らしげに報告してくれました。子どもたちが夏休みを有意義に過ごした"証"に触れ、制約がある中での豊かな体験を今後に活かしてほしいと強く思いました。

 学年が上がるごとにやれることも増えます。展示を見ていた6年生が、「すごいレポート、よく調べている」「これ、私もやった」「まさに探究だよね」と感想を漏らしていました。高学年生にとって、1、2年生の展示や発表は新鮮に感じたようです。虫の観察などは、見て気がつくことがいっぱいです。観察日記を読んでみると、虫の気持ちがわかるような表現もあります。命への深い共感がこのようにして生まれるのだと思いました。

 気象庁と環境省が今夏から、熱中症への警戒を呼び掛けるために「熱中症警戒アラート」を出すようになりました。「暑さ指数」(WBGTWet Bulb Globe Temperature)が33度以上になると予想されたときに発表されます。気温や湿度、放射熱から算出される指数で、熱中症になる危険度を表しています。25度以上28度未満を「警戒」、28度以上31度未満を「厳重警戒」、31度以上を「危険」としています。暑さが厳しい日が続いていますので、熱中症を回避するために、暑さ指数を参考に対策を実施します。①休み時間に、校庭、グランド、テニスコートなどを教員が見回ります。②外遊びの時間制限を行います。原則外での活動時間(休み時間、授業)は、10分で一度休憩をとるように促します。特に、昼休みや放課後遊びの際は、適宜放送でこまめな水分補給と涼しい場所でのクールダウンを促します。③休み時間や放課後の終わりにウォーターサーバーが長蛇の列となります。十分な水分補給とともに時間を守れるように、教員室前と図書室前にウォータージョグを設置しました。④マスクを着用したまま遊んでいる児童は、体に熱がこもりやすくなります。教員がよく観察して、マスクの着脱を促します。⑤暑さ指数が31度以上になった場合または遊び場が警戒を要するような環境であると判断した場合は、外遊びを中止します。

 今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、身体的距離の確保(ソーシャルディスタンス)、マスクの着用、手洗いやうがい、三密(密集、密接、密閉)を避ける等の対策を取り入れた学校活動を行っています。全教員が「新しい生活様式」における熱中症予防のポイントを把握し、これまでよりいっそう熱中症対策に力を入れてまいります。ご家庭でも毎朝体温測定や健康チェックを行っていただき、お子様の日頃の体調を把握していただきますようお願い申し上げます。体調が悪いと感じた時は、無理をせず自宅で静養するようにお願いいたします。


 また、今年は外出自粛によって体が暑さに慣れていないことが考えられます。通常、体から熱を逃がすには汗をかく必要があると言われています。徐々に暑さに慣れていくことが上手に汗をかくことに繋がります。「暑熱順化」とも表現されますが、5月、6月頃から少しずつ暑さに慣れて、汗をかきやすいいわば「夏の体」に変わると言われています。しかしながら今年は、外出の機会が減っているため、健康管理を念頭に置きながら活動することが大切です。「暑さに強い体づくり」にもご協力くださいますようお願い申し上げます。

 今後も新型コロナウイルス感染防止と暑さ対策を全教職員が一致して全力を尽くして行ってまいります。何卒ご理解ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。新型コロナウイルス感染症はまだまだ収束する気配がありません。今後も状況を踏まえ、現在の対応を変更する場合があります。情報に振り回されることなく、適切な判断と決定を行ってまいります。

2020年8月31日

学校法人アトンメント会

聖ヨゼフ学園小学校

 校長 荒屋勝寿


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