校長より ~今後の学校行事の実施について~
保護者の皆様へ
一学期が終わります。感染リスクに配慮し、分散分割登校を行ってまいりました。文部科学省から出された三つの条件が重なることがないように、「手の届く距離に人がいない」(密集)、「換気の悪い密閉空間はつくらない」(密閉)、「近距離での会話や発声はしない」(密接)対策に力を入れました。目に見えないものへの対応ですので、児童が安心して学校に通うことができるように、どの授業でも形は揃えました。子どもたちは、短縮授業でありながら、少しずつ、学校生活を取り戻し、笑顔で登校してくれるようになりました。
これまで教育現場では、学校の新しい生活様式への移行を背景として、学びに見通しをもった教育課程の編成が求められました。最終学年以外の児童については、特例対応として、次学年または次々学年に指導項目を移す弾力的対応可の通知が文部科学省から示されました。聖ヨゼフ学園小学校では、教科書全ての内容消化を目的とするのではなく、教科の計画的な編成、実施に努めてまいりました。学びの進捗については、学年及びクラスだよりにてお伝えさせていただきます。
コロナ禍において学校の本質が問われる問題は、学び(授業)についてだけではありません。学校行事にも及びました。学習指導要領では、「儀式的行事」、「文化的行事」、「健康安全・体育的行事」、「遠足・集団宿泊的行事」、「勤労生産・奉仕的行事」を『学校行事』として示しています。聖ヨゼフ学園小学校では、儀式的行事として始業・終業・修了式、入学式、卒業式、創立記念式、ミサ、文化的行事として音楽会、クリスマスの集い(儀式)、健康安全・体育的行事として運動会、遠足・集団宿泊的行事として宿泊体験学習、勤労生産・奉仕的行事として全校大掃除を行ってきました。これらすべては、それぞれ実施する狙いがあり、学年・学級づくり、学校づくりにかかせません。学校行事は、主に教室でなければ成立しない学びとは異なり、厳粛で清新な気持ちを味わい学校生活の糧としたり、学習成果の発表を通して自己向上意欲を高めたり、心身の健康のみならず責任感や連帯感を涵養したり、集団で見聞を広め人間関係を構築したり、ボランティア精神を育んだり、自己の生き方について深く考え自己実現を図ろうとする態度を養うことに深く結びつきます。特に、子どもたちが集まり、一人ひとりが心を一つにし、準備し、練習に励み、本番で成果を披露するからこそ、縦横の絆が深まるのが学校行事です。主役である児童の輝きは、信望愛を基盤とした『進んで学び働く子』『仲良く力を合わせる子』『ねばり強くがんばる子』の教育目標の姿です。まさに学校づくりが実現する瞬間です。
今年度は、年間行事として計画していたすべてについて見直しを行わなければなりませんでした。実施できること、実施できないこと、形を変えて実施できること、新規に計画できることについて、学校行事の教育上の効果を確認して、教員間で話し合いを進めてまいりました。協働的な学びの場、姿輝く活躍の場、いい意味で対立や衝突がある場を未来にどう作り上げるか、『感染防止』と『行事を通じた学びの実現』を両立する道を探りました。結果、これまで行ってきた感染防止対策を継続しつつ子どもたちが他者と協働しながら課題を解決し、合意を形成しながら人間関係づくりを学ぶ機会を計画することとしました。
一学期から二学期に延期した運動会は、10月30日に「スポーツの集い」として実施します。体育の授業の応用として、短距離走などのトラック競技を中心に行います。観覧は控えさせていただきます。音楽会は実施が難しいため、これまでとは異なる形で、児童の自己実現と教育的効果が現れるものを検討します。クリスマスの集いは、三密を避け、例年通りの開催計画で進めます。開催当日は、児童は教室のTVモニターで観覧します。クラブ活動は、2学期、3学期とも予定通り行います。二学期ミサ(9月24日)、創立記念ミサ(1月8日)、卒業感謝ミサ(3月12日)は、み言葉の祭儀として放送で行います。他に、本日配布した行事予定表に示したものを2020年度計画として実施してまいります。
聖ヨゼフ学園小学校では、様々な場面や機会に児童の"表現"を大切にする育みを行ってまいりました。時には時間がかかったり、予想とは異なる姿が現れたりすることもありました。しかしどの児童も、学校行事を通じて『かけがえのない経験』をするのだと思います。学校行事の意義や実施目的について、ご理解いただけましたでしょうか。学校行事は、学校づくりに欠かせないものです。とは言え、感染状況を踏まえ児童の健康と安全、命を守るために実施の有無は事前に判断します。学校といたしましては、暑さ対策を含め、全教職員が一致して、感染防止と教育及び学校行事の両立に全力を尽くしてまいります。何卒ご理解ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
新型コロナウイルス感染症はまだまだ収束する気配がありません。今後も状況を踏まえ、対応を変更する場合があります。情報に振り回されることなく、適切な判断と決定を行ってまいります。学校ホームページ等でお知らせいたします。
2020年7月31日
学校法人アトンメント会
聖ヨゼフ学園小学校 校長 荒屋勝寿
カテゴリ: 校長日誌|投稿時刻:2020年7月31日