長崎と聖ヨゼフ学園
11月9日(火)~11月12日(金)、高校2年生とともに長崎を中心とした修学旅行に行ってまいりました。2~3ヶ月前であれば中止せざるを得なかった状況でしたので、実施できたことにまずは感謝です。さて、その長崎、生徒と共に過ごすのは初めてだったのですが、不思議な街です。包み込むような優しい雰囲気で私たちを無条件に受け入れます。制服姿で歩く生徒も全く違和感がありません。まるでいつもそこで生活しているような感覚です。
初日の素朴な外海地区、2日目の日本26聖人記念館と大浦天主堂、そして3日目の浦上天主堂に至ってようやく気が付きました。生徒自身が長崎を受け入れているのです。単に修学旅行で訪れているからだけでなく。それはカトリックという「信仰」の繋がりでもありますでしょうし、過去ではあるけれど同じ人としての「希望」の繋がりを感じているからかもしれません。
2日目の日本26聖人記念館には殉教した26人のレリーフがありますが、リーダーであった「ペトロ・バプチスタ」は両手を開いています。キリストの体の目を表しているそうです。この「ペトロ・バプチスタ」が初代校長の勝野巌神父様の修道名*であること、そして26聖人が殉教した2月5日が学園の創立記念日であるという事実を知った時の驚きは時空を超えました。さらに3日目の浦上天主堂にて尾髙神父様から頂いたお話し。浦上という場所の持つ意味「信仰」と「平和」を目の当たりにすると同時に、神父様ご自身が学園の修道会であるアトンメント会のコルトン神父様が平戸にいらっしゃらなければ、司祭にはなっていないかもしれないという、まさに私たちとの出会いのお導きを感じるようなお話し。そして、みことばの祭儀でのお祈りを皆で捧げている最中にステンドグラス越しに差し込む美しい光と、AさんとTさんの歌声には感動の余り思わず涙してしまいました。2週間経った今なお鳥肌が立ちます。あのような体験は初めてだと。
長崎、本当に不思議な街です。母のように無条件に包み込む優しさだけでない、困難とも思えるできごとをも丸ごと見守る父のような優しさを感じます。父の「愛」ともいうべきものでしょうか。浦上天主堂内に一つの答えがありました。「聖ヨセフ」。そうでした12月8日までは「ヨセフ年」です。このような時に聖ヨゼフ学園が長崎を訪れることができたのもお導きなのかもしれません。
*注:11月25日掲載時に洗礼名と明記しておりましたが修道名の誤りでした。大変失礼致しました。
2021年11月25日(木)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 多田信哉
26聖人のレリーフ 両手を広げるペトロ・バプティスタ
ホテルのプールサイドでの生徒 背後には九十九島が広がる
最終日 車窓越しに虹が No rain,No rainbow ‼