こんなひと時もいい

今日は定期テストの最終日。久しぶりのクラブ活動や委員会活動に勤しむ生徒の姿。試験期間中の集中した姿も凛々しいですが、リラックスして談笑したり、元気いっぱいアクティブに動く姿もとてもいい。活動が終了して、あとは学習室利用者だけとなった16:45頃、中高昇降口に3人の高校生がいました。2人はしゃがみ、1人は少し離れたところで立っています。思わず「どうしたの?」と聞けば、足元には「カメ子」が...。どうやらお散歩でここまでたどり着いたようです(それでも住処である池までは50mくらいはあります)。2人が「かわいい!」「見ているだけで癒される!」「みてみてこのしっぽ!」「目が目が...もう...(たまらない)」と言っている中で、もう1人は「私、爬虫類がダメなんです...」と遠巻きに。「池に帰そうか」と言ってバケツを持ってくるも、まだ「かわいい」と言っている生徒の姿を見て「ちょっと待ってみよう」と思い、一緒に観察していました。しばらく付近をうろうろしていた「カメ子」でしたが、壁伝いに本格的に動き始めました。なんと池に戻ろうとしている様子。けれども、池まで戻る途中には排水溝があったり、鉢植えがあったりと障害物はたくさん。生徒は「カメ子」のゆっくりした動きに何する訳でもなく、「そこから行けるかな?」「危ないよ!」「ガンバレガンバレ!」と声をかけながら(?)後からついていく。その様子になんだか嬉しくなってきて一緒になって歩いていきました。そしてついに到着。見事、池に戻ってきました!
「カメ子」の大移動と高校生の行動、ハッと気づきました。これは私たち大人である教員や保護者のみなさまと子どもたちとの関係も同じなのではないか、と。先を知っている大人は、子どもにすぐにゴールを教えてしまう傾向があります。けれども子どもは、歩みは遅くとも、また様々な障害物があろうとも、自分で切り開く力を持っている。大人にとって大切なのは、待つことであり、この高校生のように寄り添い、そして可能な限り子どもと一緒に時間を過ごすことなのではないかと思った次第です。こんなすばらしいひと時を過ごさせてもらった「カメ子」さん、そして3人の高校生のみなさんありがとうございました。楽しい1時間。気が付けば「爬虫類が苦手」な1人もいつも間にか一緒になって「カメ子」を応援していました。

2021年7月13日(火)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 多田信哉

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鉢植えをクリアした「カメ子」

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「カメ子」を慈しむかのように寄り添う3人

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池に到着! いよいよお別れ 我が子の巣立ちを見守るかのような3人 

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