思い浮かべる!

 学ぶということは、目に見えない事柄を思い浮かべることができるということ。根拠のない想像ではなく、裏打ちされた学びを通して、その事柄を理解するということ。たとえば地理や歴史の学びを通して、地球の反対側で起こっている現実を感じ取るということ。これは、以前、修養会を指導してくれたN神父様の言葉です。学校説明会などで何度も使わせていただいております。

 さて、先週の金曜日、夕刻に一本の電話がありました。震えるような声で「近所に住むものですが、ご相談したいことがありますので、これから伺ってよろしいでしょうか」。「怒り」と言うよりは、強い決意と言うようなものが電話の向こうから伝わりました。急いで、小学校の荒屋校長先生と一緒に会うことにいたしました。以前から近所に住まわれ、数年間お仕事の関係で鶴見を離れた後、2年前に戻られたそうです。毎朝、ご自宅の前で何台もの車が止まり、聖ヨゼフ学園の児童・生徒が下りてくる。夕方には下校する生徒を待って長い時間駐車する。自分の用があって車の出し入れをするたびに、気が重くなる日々が繰り返されるということでした。学校に「相談」することにも、「悩みに悩み、我慢に我慢を重ねて電話をしました」とのことです。鈍感な私でも、この方の気持ちを思い浮かべることは、そんなに難しくありませんでした。申し訳ないという気持ちでいっぱいです。今日の朝、黄色い旗を持ち、学校の腕章をつけて荒屋先生と横断歩道に立ちました。「ごきげんよう」と元気よく登校してくる聖ヨゼフ学園の児童、生徒も、「おはようございます」と、元気に挨拶をしながら近くの小学校に登校していく児童たちも、等しく愛らしい存在です。安全、安心な登校をお互いに確保しなければなりません。重ねてのお願いです。自家用車での登下校は、お控えくださるようにお願いいたします。

2020年9月23日(水)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸

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