つながる!
昭和38年3月、聖ヨゼフ学園の校歌が制定され、第一回高等学校の卒業式で披露されました。学園創立から10年目のことです。先生方の合作で歌詞が作られ、当時、新進気鋭の指揮者だった荒谷俊治(あらたに しゅんじ)さんに作曲を依頼しました。当時、英語科で教鞭を執っておられた漆原多喜恵先生のご主人と、大学時代からの友人だったそうです。荒谷先生の言葉が学園の25周年誌に記されています。「奥様の勤めておられる学校の校歌を作曲してくれと言ってきた。俺で役に立つなら喜んでと、二つ返事で引き受けたものの、大変急ぐという。~カトリック学校の清潔な美しさと、詩を最初に読んだ時のイメージを素直に曲に乗せようと考えた。」荒谷俊治先生は、今年の1月に神様のもとに召されました。改めて、ご冥福をお祈りいたします。また、先生は2003年から約10年間、第4代日本指揮者協会会長をお努めになられました。初代は山田耕筰、前任は朝比奈隆という日本を代表する音楽家です。先生ご自身も華やかな経歴をお持ちでしたが、地域の音楽活動にも力を入れられていたようです。東京町田市の名誉市民として多くの方に愛されていました。ちなみに、作曲家としてはカトリックの典礼聖歌を多く手がけた高田三郎先生に師事したそうです。高田先生も多くの作曲をしながら、合唱の指導や地域の音楽活動に力を入れておられましたし、晩年には日本エキュメニカル協会から「エキュメニカル功労者賞」を受賞されています。キリスト教の再一致を願う、エキュメニカル運動はまさに、聖ヨゼフ学園の基本精神です。荒谷先生を真ん中に、様々な人やことがらがつながっています。
2,020年6月18日(木)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸