人生いろいろ 保護者向け?
32年前、長男誕生の知らせに自制を失い、雑誌の広告に載っていたフランスの高級ブランデーのコニャックを「息子の成人式に一緒に飲む」と、反対する妻の言葉を押し切って買い求めました。一万円ほどしたと思います。当時としても破格の買い物でした。また、十数年前、東京駅の洋酒専門店で、国産ウイスキーのミニチュアボトル50㏄を600円だったと思いますが、見た目がかわいいという理由で買い求めました。当時は日本酒や焼酎がブームで、ウイスキーの需要が低迷していました。ところが6年前に放映されたNHKの連続ドラマをきっかけに、国産のウイスキー需要が急増、炭酸でわるハイボールの人気もあって、国産のウイスキー、中でも貯蔵年数の刻まれたウイスキーはびっくりするほど価格が上昇しています。書斎の片づけをしたことを何度か書きましたが、本棚の隅に置かれていた50㏄のミニボトルを10数年ぶりに発見。知り合いに話したら、「ネットだと8000円くらいだよ」って教えてくれました。売るつもりは全くないのですが、気になって検索しました。「すごーい」2本で1万7千円、7本で5万円などなど。私の中の「貪欲さ」が目を覚まし、「1万円で買ったコニャックは一体どうなっているのか」妄想の嵐が頭の中を駆け巡り、はやる気持ちを抑えながらネットを検索。出てきました。箱もボトルも全く同じ。古酒として販売されていました。価格はなんと 1000円 でした。撃沈!「もったいない」と、息子と開けることのできなかったコニャックはまだ手元にあります。人生とはこんなもの。時代によって求められるものが移り変わり、価格も変わる。お酒そのものは何も変わらないのに。休校で生徒のいない学校で書く校長日記もだんだんと迷走中? 生徒たちには、まったく興味ない話題でした。
2020年4月24日(金)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸
かわいい多肉植物 「熊童子」見ているだけで癒されます。