寛容さ
先日の地域公開講座に、36回生のOGがお子さんを連れて参加してくれました。その帰り際に、現在出版社で営業に携わっているという彼女が何冊かの本を寄贈してくれました。その中の一冊が「注文をまちがえる料理店のつくりかた」小国士朗著(方丈社)という、認知症の皆さんがスタッフとして働く料理店のドキュメント本です。これは宮沢賢治の有名な本からヒントを得たタイトルで、お客様の注文を間違えてしまうかもしれないレストランと、それを承知で、いいえそれを楽しみに訪れる方々の三日間だけの物語です。ほんのちょっと「寛容」になるだけで、解決することはいっぱいあります。「こうあらねばならない」「こうあるべきだ」ということが私たちの社会をとても窮屈にしています。一方で、学校は失敗をしない方法を教え、「こうした方がいいよ」って教えてきました。基本的な倫理観や社会規範を教えることはとても大切だからです。一生懸命に生きながら、時々失敗してしまうことは良くあります。赦し合える寛容さ、学校の中でも、社会の中でも痛感する毎日です。興味ある方は是非「注文をまちがえる料理店のつくりかた」を読んでみてください。心がホッとしますよ。
20019年8月7日(水)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸
写真と共に登場する皆さんが輝いているのです。