親切
昨日はお休みをいただき、99歳で亡くなった親類の葬儀に参列しました。告別式が終わり火葬場まで向かいました。待機所で待っていると、「大宮ナンバーの車の方いますか?」マイクロバスの運転手さんが大きな声で探しています。「はい私です」火葬場には不釣り合いな元気な声で返事をしました。「後輪がパンクしていますよ」と運転手さん。どうも葬儀場からの途中で何かを踏んだようです。人生初めてのパンク。慌てて車のところまで行きました。バスの運転手さんも一緒に見てくれました。左の後輪がぺしゃんこです。「後ろのトランク開けてもらえる」と運転手さん。トランクの下から緊急用のタイヤとジャッキを取り出し、あっという間にタイヤを交換してくれました。5分もかからない早業です。パンクしたタイヤにはプラスのねじが突き刺さっています。「この近くのガソリンスタンドに持って行って。すぐに直してくれるよ」と詳しい道順を教えていただきました。ガソリンスタンドに行くと爽やかな店員さんが、「すぐに終わりますからお店の中でお待ちください」待つこと15分。同乗してくれた従兄と近況を話していると「終わりました。2000円です」片道150キロの道のりを家族を連れてどう帰ろうかと少しパニックになった20分前が信じられない展開です。私たちは何事もなかったように火葬場に戻りました。先ほどの運転手さんが玄関前で心配そうに待っていました。ありがたいと思いながらも、見ず知らずの私にどうしてここまで親切なのかと尋ねました。運転手さん曰く「写真館を営んでいる施主さんには日頃からお世話になっているから」とのこと。私自身は何もするまもなくまわりの人の親切ですべてが終わり、嬉しいやら情けないやら。人の親切が身に染みた一日でした。やっぱり人には親切にしようと固く決心しました。学校とは全く関係ないお話でした。
2017年2月24日(金)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸