沈黙 サイレンス
遠藤周作の代表的な作品である「沈黙」が映画化されました。1971年に日本人の篠田監督によって映画化されてから50年近くが過ぎました。今回は「タクシードライバー」等の名作で有名なマーティン・スコセッシ監督がメガフォンを取ったことで話題になっています。「沈黙」は日本のカトリック教会の歴史を考えるうえで大切な小説です。宣教師が踏絵を踏んでしまうというショッキングな出来事や、神の沈黙の問いかけなど異を唱える方も多くいます。しかし、禁教令のもと信仰を守るために苦しまれたキリシタンの姿に光を当ててくれたのも事実です。何度も、何度も読み返し、自分にとっての信仰を確かめようとした中高時代の自分が懐かしいです。修学旅行で眺めた外海の景色、夕方の陽に輝く海と静かな村の風景、細い集落の道を幼い子供と手をつないで歩く若いシスターの姿。今週末の何処かでぜひ観たいと考えています。
2017年1月27日(金)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸
外海にある沈黙の碑「人間がこんなに哀しいのに、主よ 海があまりに碧いのです」
遠藤周作文学館からの眺め 外海(ソトメ)の海です。
物語の舞台ともなった外海にある出津教会(世界遺文化産候補)