親の思い

 昨日、Jリーガー山口蛍選手のドキュメンタリーを見ました。セレッソ大阪(J2)に所属していた山口選手は昨年末にドイツのチームへ移籍しました。しかし、今年3月にあった代表戦で、眼窩底骨折という大けがを負い、ドイツに戻ることができないままシーズンが終わりました。その後彼は様々な批判を受けながらも、わずか6ヶ月で古巣に復帰しました。「目立たなくていいんです。試合に勝てれば。そこに自分が貢献できればそれでいいんです。」 金髪のビジュアルや攻撃的なプレースタイルとは裏腹にその言葉はとても控えめです。苦しみ抜いたこの一年でしたが、10月に行われたワールドカップの予選(がけっぷちのイラク戦)のアディッショナルタイムで貴重な一点を上げました。しかも豪快なミドルシュートで。複雑な家庭環境の中、小さい時から彼を支えてくれたお父さんのインタビューを聴いて涙が止まりませんでした。「暗闇を照らす蛍のような存在になって欲しくてこの名前をつけました。」 子供が生まれた時に全ての親は、さまざまな思いを込めて名前をつけます。その思いを受け止めて子どもは生きていくのです。けんかの弱かった私は、勝幸という名前に時々小さなプレッシャーを感じていました。

2016年11月21日(月)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸

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