季節外れ
職員室の冷蔵庫を開けたら、真っ赤に熟したトマトが一つありました。写真では分かりづらいかもしれませんが、色も形も完璧なトマトです。「高校二年生のベランダで採れたトマトだそうです。」近くにいた先生が教えてくれました。夏前に一度、校長日記で取り上げたベランダ菜園が10月末の今になっても元気です。あおい大きなトマトもまだいくつもあります。横のポットにはオクラも4~5本生っていますし、立派な琉球朝顔もたくさん花をつけています。近くのスーパーでは、秋の長雨の影響で野菜などが高値です。問題は味ですが、まだ誰も食べていません。季節外れと書きましたが、ここ数年10月になっても夏日が続いたりして、今までの日本の四季のイメージは少しづつ変わってきているのかもしれません。自然界の植物や生物は、短期的には変化に弱いように見えますが、長い目で見ると上手に変化を受け入れ、逞しく生き延びているような気がします。聖ヨゼフ学園のベランダで熟したトマトは、どのような味を楽しませてくれるでしょうか。と言っても、私に食べさせてくれるようなことはないようです。私たちも自然界の一員です。短期的な視野でなく、長期的な視野を持って変化に対応できるようになりたいものです。
2016年10月28日(金)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸
窓には鳥よけのステッカーが。放課後の教室では、高二の生徒が修学旅行のグループ研修の打ち合わせ中。