最後まで、ありのままの姿でした。
放送作家の永六輔さんが、7日に天に召されました。30数年前、アメリカに滞在した時、一週間に数回はラジオから「スキヤキソング」が流れてきました。落ち込んでいてもこの曲を聴くと「上を向いて歩こう」と元気が出たものです。作詞を担当された永さんは、ラジオの長寿番組でも活躍されました。やはり20年前、大病してリハビリをしている時に元気をいただいたことをよく覚えています。ここ数年は、様々な病気と闘い、ラジオのパーソナリティーなのにはっきりと話すことが困難な状態でも出演し続けました。最後まで、ありのままの姿で、年齢を重ねるということを示してくれました。また、まわりの方々の愛情ある「突っ込み」は、共に生きるということでも大きな示唆を与えてくれました。三省堂新明解国語辞典の楽しみ方もこの番組から教えていただきました。ご冥福をお祈りいたします。
2016年7月12日(火)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸