「この家に平和があるように」

 明日朗読されるルカによる福音書10章1~12,17~20節の中の一節です。イエスは弟子の他に72人を任命し、ご自分が行くつもりの町や村に二人ずつ派遣されます。「それは狼の群れに子羊を送り込むようなものだ。財布も袋も履物も持って行くな。途中でだれにも挨拶するな。どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい。」平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もし、いなければ、その平和はあなたがたに戻ってくる。」~略~「しかし、町に入っても、迎え入れられなければ、広場に出てこう言いなさい。『足についたこの町の埃さえも払い落として、あなたがたに返す。しかし神の国が近づいたことを知れ』と。言っておくが、かの日には、その町よりソドムの方が軽い罰で済む。」

 この聖書を読むとき、しばしば悩みます。どのように理解し、納得すればよいのか。神の愛を宣教するために派遣された人々が、その町の人々に受け入れらるかどうかを、どう判断するのか。受け入れない人々に対して、神はあまりにも厳しいのではないか。このような時私は、無理に解釈をしたり理解しようとせず、静かに祈る(時間をかけて待つ)ことにしています。たとえば、私たちは日々の生活の中で、お互いに受け入れることが難しい人が何人かいます。仲良くなりたい、お互いに理解したいし、理解されたいと願っているのに、うまくいかないのです。そんな時こそ『この家に平和があるように』という祈りが大切になってきます。それぞれが初心にかえり、「その方の上に平和(神の安らぎ)があるようにと祈るのです。それは同時に自らの心の中に平和があるようにと願うことかもしれません。

2016年7月2日(土)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸

 

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