人はパンだけで生きるものではない(ルカ福音書4章1~13節)
様々な誘惑は、私たちの心が弱っている時にあるようです。イエスは、神の教えを説く生活(公生活)を始めるために、40日間、断食と祈りの時を過ごされました。そして空腹を憶えられたとき、悪魔が言いました。しかも、囁くような控えめな言葉ではなく、はっきりと言ったのです。「神の子なら、この石にパンになるように命じたらどうだ。」それに対してイエスは「人はパンだけで生きるものではない」。悪魔は続いて自分を拝むなら、この国々の一切の権力と繁栄を与えようと誘います。「あなたの神である主を拝み、ただ主に任せよ」。最後に悪魔はイエスをエルサレムの神殿の屋根に立たせて、「神の子なら、ここから飛び降りたらどうだ。~略~「神はあなたのために天使たちに命じて、あなたをしっかり守らせる。」と誘惑します。イエスは「あなたの神である主を試してはならない」とお答えになり、悪魔のすべての誘惑を退けられました。イエスが伝えようとした神の愛と、それに従って生きる私たちの姿が示される出来事でした。
2016年2月16日 聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸