みんなちがってみんないい!
子ども達は、伸び伸びと遊び、それぞれの違いを認め合いながら互いにかけがえのない存在として思いやりの心を育んでいます。 日々の幼稚園の活動を通して神様の愛、両親そして周りのたくさんの方々の愛を感じ、信頼する心、委ねる心、感謝の心を育みます。
聖クララ幼稚園 園長 伏島 隆興
12月のえんだより
今年も聖劇、聖歌の練習等、クリスマスの準備が始まりました。幼稚園の待降節は教会の待降節より一足先に始まりますので、ホールには馬小屋が設えられ、アドベントカレンダーの日めくりも始まりました。アドベントカレンダーは、イエスさまをふさわしくお迎えすることが出来るための毎日の心がけ、取組を重ねていくために使う暦です。暦を通して、イエス様をお迎えする心の準備をしていきます。
待降節の意味は、約2000年前にお生れになった救い主であるイエス様を思い起こし、世の終わりに再び、栄光に満ちたお姿でおいでになる救い主を待ち望む時です。世の終わりは神の国の完成の時、全ての悪が滅ぼされ、あらゆる苦しみや悲しみが拭い去られ、真の救いが実現する時です。再びおいでになるイエス様を相応しくお迎えするためにどうしたら良いか。それは私たち一人ひとりに問われた課題です。
人となられたイエス様はベトレヘムという小さな町の馬小屋でお生れになりました。当時の権力者は自らの権力を守るためにお生れになる救い主を無きものとするため、夥しい数の幼子を虐殺しました。また宗教的指導者等、社会の上層部にいる人たちは、救い主が武力でローマ帝国を駆逐し、強いイスラエルの王権を確立すると確信しており、真の平和を実現する救い主を理解することが出来ませんでした。
イエス様のご降誕を心から喜ぶことが出来たのは、マリアとヨセフ、そして社会の中で蔑まされ、疎まれた貧しい羊飼いたちでした。また、異邦人、異教徒として忌避されていた三人の博士たちでした。博士たちは、遠い道程を旅して、幼子イエス様のお誕生をお祝いしました。平和の君を待ち望むわずかな人たち、そして羊やロバといった動物たちに囲まれ、イエス様はお生れになりました。
イエス様がお生れになった場所、馬小屋は、人が生まれるには最も貧しく、相応しくない場所であったかもしれませんが、そこには大きな喜び、真の平和がありました。馬小屋は愛に満ちていて、あらゆる悲惨さを拭い去る地平を拓くものでした。
現在のベトレヘムはパレスチナ暫定自治区に属しており、戦乱の苦境化にあります。多くの人々が殺される戦火、数えきれないほどの子どもたちのいのちが失われ続ける世界、このような中で、私たちはどのようにクリスマスを迎えることが出来るのでしょうか。
つたなくはあっても、私たちが幼子イエス様をお迎えする暖かい馬小屋となるよう日々の生活を改めていくこと、平和のために祈ること、そして幼稚園の子どもたちのように、日々のアドベントカレンダーを繰っていくことを心掛けたいと思います。
クリスマスは愛と平和に満ちた家族のお祝いでもあります。クリスマスの恵みが、皆様の上に豊かに注がれるよう、お祈りいたします。